mirror_box

スマさん世代の腐った文字書きが好きなものは好きと無駄に叫ぶ

蜘蛛女のキス再演初日1

蜘蛛女のキス再演初日。 石井一孝モリーナと浦井健治ヴァレンティンが今年の観劇始めです えーと良かったです。実際のとこ。ただなんと言うか初演に比べて薄い感じがしたのは何でだろう。演出か記憶違いかどっちかですけど。 一部ネタバレですがたとえば。モリーナが看守にいたぶられるシーン。確か以前は靴を舐めさせてたような…。今回は豚のように泣けといわれるだけ。モリーナに自分を辱しめるなという迫害への屈し方が多様でない分あんまりモリーナが自分を辱しめてる感じがしないな。ちょっと卑屈なだけに見えるんだよね。 オーロラ役の金志賢さんは確かに歌がうまい。上手いんだが、その分なんでか生々しい。いやオーロラの蜘蛛女が怖くないんだよね。モリーナの憧れの女優だけあるなというリアリティが蜘蛛女のカリスマとか理解しがたい不気味さを半減してるようでラストシーンへのつながりがどうも唐突。むしろ一人だけ蠢く男性ダンサーの方が蜘蛛女的で興味が分散しちゃいました。モリーナとヴァレンティンのラブシーンにしても前回ははっきりと暗転して二人がつながりを持ったことを示していた。拒否反応を示す人もいるだろうけどまぁそういう芝居だし。今回は二人自身は向かい合って立って抱き締め合う。絡み合う手の映像が一緒に流れることで行くとこまで行ったのか?とも思うんだけどその映像も明るいなかで流れるからイメージでしかなくて気持ちが触れ合っただけとも取れてしまう。表情が見え続けることでヴァレンティンの必死さ・男らしい身勝手さ、モリーナの迷いやヴァレンティンへの愛は見えやすくなった。 でも見えりゃいいってもんじゃなくて、ギリギリまでそれでいって暗転しながら「ふれても嫌じゃないか」というほうが、モリーナが溺れた感じが出てた。いや翌朝の拒否に違和感が出るかもしんないけどコトのあとなんてそんなもんじゃん。恥ずかしくて急に冷静になる、けど繋がったあとだから脆い。それが分かりにくい。 ヴァレンティンにしても明るいまんまだと目的の為に手段を選ばない小悪党にしかみえない。私がロマンチックにとらえすぎているかもしれないけれど、体を重ねていた瞬間だけはその温もりで我を忘れてて欲しいんだよなぁ。うーん。 続きます。